【生協の出資金の仕組み】増資と減資を利用して賢くやりくり!

生協の出資金の仕組みについて

生協というものを耳にする機会があるかと思いますが、具体的にどのような仕組みになっているかご存知でしょうか。近所にあるスーパーマーケットのようなものを想像する方も多いと思いますが、普通のスーパーマーケットにはない生協ならではの特徴的な仕組みが存在します。

 

それが生協の出資金という制度です。

 

生協に出資をすると、出資金に対して所定の率を乗じた金額を配当として受け取ることができます。このときに使われる所定の率を配当率といいますが、この配当率は銀行に預ける場合と比べて高い率であることが多いのです。

 

また、お買い物をすることで出資額を増やすことができるなど、日常のお買い物と組み合わせて賢くお金をやりくりすることもできます。生協の出資金の仕組みを上手に活用していくために、まずは生協の出資金の仕組みについてみていきます。

 

生協とは?普通のスーパーとの違い

生協というのは「生活協同組合」を略した言い方で、生協の組合員が出し合った出資金を元にして、組合員の生活を豊かにすることを目的として活動を行う組織です。

 

生協ではスーパーマーケットのように店舗で食料品や日用品を販売していたり、通信販売で食料品などを宅配してくれたりします。

 

ネットスーパーなどを利用する方も増えてきていますので、一見すると普通のスーパーマーケットの形態と何も変わらないようにみえます。しかし、生協が提供しているサービスを受けるためには、生協に出資金を支払って生協の組合員にならなければいけません。

 

一般的なスーパーマーケットでは、事前にお金を支払ったり利用者登録をしたりする必要はなく、買い物をしたいときにすぐ利用することができます。一方、生協は消費者が出資金を出し合って共同で運営し、そのサービスをみんなで利用していく組織なので、まずは組合に加入するところから始まります。

 

また、生協は食料品などの宅配や店舗での買い物に加えて、福祉や介護など、様々なサービスを提供していることも特徴です。生協と並んでよく耳にするのが「Co-op(コープ)」ですが、これは「協同組合」を表す「Co-operative(コーペラティブ)」を略して日本語読みしたものです。

 

スーパーマーケットのコープや、コープ共済などはよく耳にするかと思います。特にコープ共済とあるとおり、コープでは共済事業も展開しています。ケガや病気などの場合に組合員みんなで支えあうという趣旨から、医療保障や死亡保障、がんの保障、終身保障など、ニーズに合わせた様々な保障商品が用意されています。

 

では、生協に加入するにはどのようにしたらよいのでしょうか。まずはお住まいの地域にある生協をインターネットなどで探して、利用したい生協を選んでください。次に、選んだ生協へ資料請求をします。そして、届いた加入申込書に必要事項を記入して、出資金を預けます

 

ここまでできれば、あとは生協やコープのサービスを利用することができます。

 

出資金はいくら?

生協に加入するときには出資金を支払うことになりますが、この出資金はいくら程度を用意すればよいのでしょうか。

 

出資金は口(くち)単位で数えますが、1口は100円から2000円程度が相場になっています。

 

基本的に1口分の出資でも問題はありません。なぜなら、消費生活協同法という生協に関する事項を定めた法律で「組合員は1口以上出資しなければならない」と規定されているからです。しかし、生協のなかには最低限度の口数を定めているところもあり、例えば「1口100円として最低で5口以上出資しなければならない」など、独自の条件を設けている生協もあります。

 

実際に加入するときに必要になる出資金の金額としては、加入時に必要な最低口数は1口以上としているところも多く、1口当たり100円とか2000円などとしている生協が多いので、一般的には数百円から多くて2000円程度と考えておけばよいでしょう。

 

また、出資金の上限額についても消費生活協同法で「組合員の総出資口数の4分の1を超えてはならない」と定められていますが、これも生協が独自に設定している場合があります。なお、総出資口数の4分の1となると数十億円規模になるので、実質的には上限はないに等しいと考えられます。

 

では、加入するときに支払った生協の出資金は、手元に戻ってくるのでしょうか。原則として、生協の出資金は生協を脱退するときに全額が返還されることになります。生協の出資金というのは、生協が提供するサービスを利用するためだけの利用料ではなく、生協が展開する事業を運営していくことを目的として一時的に預けるお金です。

 

よって、生協を脱退するときには、加入時に預けた出資金を全額返還してもらえるというわけです。しかし、仮に生協が経営破たんしてしまった場合には出資金が返還されない可能性があります。ただし、生協の事業内容については行政庁のチェックが入ることになっているため、急激な経営悪化によって一気に破たんするという状況は考えにくいと思われます。

 

配当って何?

生協の出資金では、生協に利益が発生すると、出資した組合員に配当として利益を還元することになっています。銀行で預金していると利息がつきますが、生協の出資金に対する配当もこれと同じようなイメージです。では、生協の配当はどのように決まるのでしょうか。

 

配当の金額は「出資金×所定の配当率」で計算します。

 

銀行の利息も預金残高に対して一定の率を乗じた金額が利息としてつくことになりますが、生協の配当も同じような仕組みになっています。この「所定の配当率」というのは全国一律ではなく、それぞれの生協によって異なります。

 

また、年度によっても変動することがあります。おおむね、年率0.2%から0.5%程度を配当率としている生協が多いようです。市中の銀行の預金金利に比べれば、比較的高い配当率であることがわかります。例えば、1万円を出資して配当率が0.3%であった場合の配当はいくらになるか実際に計算してみましょう。

 

まず、出資金に配当率をかけます(1万円×0.3%=30円)。これに所得税の20%と復興特別所得税の0.42%が差し引かれます(30円ー(30円×20.42%)=23.874円)。1円未満は切り捨てになるので、この年の配当は23円となります。なお、ついた配当はすべて出資金に追加されます。

 

口座に振り込まれるわけではないので注意してください。

 

上記の試算結果の場合は、1万円の出資金に23円の配当がつきましたので、2年目の出資金は1万23円となります。2年目以降の配当の計算は、初年度の出資金である1万円と配当の23円を合計した1万23円に配当率をかけて計算することになります。

 

したがって、もし配当率が0.3%のまま変動しなかったとしても、出資金自体が毎年増えていくため、結果的に配当は少しずつ増えていきます。ただし、配当は生協に利益(剰余金)が発生した場合に受け取ることができるものなので、毎年必ず配当がつくとは限りませんし、配当率が下がる可能性も十分にあります。

 

なお、配当率や配当、現在の出資金残高は、毎年決まった時期に通知が届いて確認することができます。生協の店舗やインターネットなどからも確認することができます。

 

出資金の増資方法

加入のときに支払った生協の出資金は、加入後でも増やすことができます。

 

これを増資といいます。増資をする手続きは生協によって違いますが、いずれの生協でも比較的簡単な手続きで出資金の増資をすることができます。

 

なお、増資をするときの最低単位が決まっていることがあり、例えば、「1口100円以上」とか「1口500円以上」などと設定している生協があります。いずれも少額から増資できる生協が多いようです。申込手続きの方法ですが、店舗がある場合は店舗のレジやサービスカウンターで申込みができます。また、宅配の場合は注文用紙に記載したり電話したりすることで申込みができます。

 

増資することのメリットは、配当が増えることでしょう。生協の利益が出れば毎年配当がついて増えていくのが生協の出資金の特徴です。しかし、加入したときの出資金は数百円から数千円程度が相場となっています。数百円や数千円に配当率をかけたとしても、大きな金額にはなりません。少しずつでも出資金を追加して増資をしていけば、それだけ還元される金額も増えていきます。

 

増資の方法はいくつかあります。例えば、宅配型の生協では積立タイプの増資を行えるところもあります。最初に「1週間で100円ずつ増資する」というように申請すれば、その後は自動的に毎週100円ずつ増資してくれるという仕組みです。この場合では、1か月後には400円、2か月後には800円程度の増資をすることができます。

 

毎週100円なら大きな負担を感じることなく続けていけるかと思いますし、一度申請してしまえばあとは自動的に増資されていくので手間もありません。また、ほかにも生協での買い物で貯まったポイントを出資金に振り替えて増資することができる生協もあります。生協で買い物をすればするほど増資ができるのはありがたいサービスです。

 

増資することのデメリットとしては、仮に生協は経営破たんした場合には出資金が返還されない可能性があることです。また、出資金の一部を返還してもらうには長くて半年など時間がかかるケースがあるため、すぐに必要となると考えられるお金は増資にまわさないよう注意した方がよいでしょう。

 

減資の手続き方法

増資とは逆に、生協の出資金を減らすこともできます。これを減資といいます。減資できる金額は生協ごとに設定されていて、例えば「出資金の残高が5000円以上残る」ことが条件となっている生協もあります。この場合は、出資金の残高が5000円を切らない限り、いくら減資してもよいということになります。

 

では、減資をするにはどのような手続きが必要となり、いつ出資金が返還されるのでしょうか。これも生協ごとに違っています。まず初めは、店舗型の場合は店舗のサービスセンターなどへ、宅配型の場合は配達員へ、あるいは生協のコールセンターへ連絡します。

 

減資をするとその分お金が返還されますが、返還の時期は生協によって区々となっていて、例えば「毎年12月20日までの申請で翌年3月20日までに返還する」としている生協もあります。つまり、申請期限ギリギリの12月20日に申請した場合、減資分は3か月以内に返還されるということになります。

 

また、他の生協では「減資後の出資金残高が5万円以上なら申請後15日〜24日、減資後の出資金残高が5万円未満なら申請後1か月〜6か月」などと、減資後の出資金残高によって返還までかかる期間が違う生協もあります。減資後の出資金残高が5万円に満たなくなってしまう場合は、長くて半年程度は返還されないことになります。

 

もし出資金を全額返還してもらいたい場合は、生協を脱退することになります。生協の組合員でいるためには生協の事業運営に出資をしなければなりませんから、出資をしないということは生協の組合員でいることができなくなるためです。

 

脱退する場合は、減資をするときと同じように、まずは店頭、販売員、あるいは生協のコールセンターへ連絡してください。なお、脱退には法定脱退(組合員の死亡、営業地域外へ引っ越す場合など)と自由脱退(法定脱退以外の場合)があります。法定脱退では比較的早い時期に出資金が返還されますが、自由脱退では長くて半年後など、法定脱退より返還まで時間がかかるようです。

 

減資をすると手元にお金が帰ってきますが、返還までに時間がかかることがあったり、出資金が減ることでその分配当が減りますので注意が必要です。

 

利用割戻金制度

生協には組合員にとってうれしい制度があります。生協の出資金とは直接関係はありませんが、出資金に対する配当と同じように、お金が組合員に還元されることがあります。「利用割戻金制度」といって、組合員が生協で使った金額の一部が還元される制度です。

 

この利用割戻金についても、出資金に対する配当と同じように使った金額に「利用割戻率」をかけて計算します。利用割戻率は、生協によって様々に設定されています。例えば、ある生協では商品を購入するなどした年間の利用金額に対して0.7%を還元するとしています。

 

年間の利用金額が10万円であった場合、700円が還元されることになります。また、違う生協では、共同購入や店舗での利用金額に対しては0.83%、旅行や共済などのサービスでの利用金額に対しては0.42%を還元するとしています。

 

共同購入での利用金額が5万円、旅行での利用金額が5万円であった場合、それぞれに0.83%、0.42%をかけると415円、210円となり、合計で625円が還元されることになります。

 

食料品などは日常的に購入しなければいけないものですし、医療保障などといった共済サービスで利用した分も換算できるとなると、毎月の必要経費が多いほど利用割戻金が増えることになりますので、組合員にとってはありがたい制度といえます。

 

ただし、消費生活協同法では「利用割戻金は、出資金の一割を超えてはいけない」とされていますので、例えば出資金残高5万円の場合、いくら年間利用金額が多くても還元される利用割戻金は5000円が限度となります。

 

また、利用割戻金は出資金と同じような仕組みになっているため、注意しなければいけないポイントがあります。まず、生協の出資金は現金として口座に振り込まれるわけではなく、出資金に追加されることになりますが、利用割戻金も同様に還元された分は出資金に追加されていきます。

 

また、利用割戻金が還元されるのは生協に利益が出たときに限られますので、毎年必ず還元が受けられるというわけではありません。

 

まとめ

生協の出資金についてみてきましたが、ここでポイントをおさらいしてみましょう。

 

  1. 生協を利用するためには生協の組合員になる必要があります。このときに必要になるのが出資金です。
  2.  

  3. 生協の出資金は生協を脱退するときに全額返還されます。
  4.  

  5. 出資金の相場は、数百円から2000円程度です。出資金は1口単位で数えることになっていて、生協ごとに1口100円とか、1口500円などと設定している金額が違っています。
  6.  

  7. 生協の出資金は、生協に利益が出れば配当が受け取れます。この配当は現金で受け取れるわけではなく、生協の出資金に追加されることになります。
  8.  

  9. 配当は「出資金×配当率」で計算します。初年度に発生した配当は出資金に追加されますので、翌年度は当初の出資金に配当をプラスした金額に配当率をかけて計算されます。つまり、生協に利益が生じていれば、毎年少しずつ出資金が増えていき、それに伴って配当も増えていくことになります。
  10.  

  11. 配当率は生協ごとにも異なり、年度によっても変動しますが、相場としては0.2%から0.5%程度となっています。市中銀行の預金利率に比べると高い利率が設定されています。
  12.  

  13. 生協の出資金は加入後に増資することができます。増資すると出資金が増えて、これに伴って配当を増やすことができます。
  14.  

  15. 生協の出資金は加入後に減資することができます。減資すればお金は戻ってきますが、その分出資金が減って、これに伴って配当が減っていきます。
  16.  

  17. 減資や脱退によって出資金が返還されるとき、実際にお金が返還されるまで長い時間がかかることがあります。特に脱退の場合は、組合員の死亡等による法定脱退ではない自由脱退(法定脱退以外の理由による脱退)であると、出資金の返還まで時間がかかることが多くみられます。

     

    生協の出資金とするお金はすぐに返還されないこともありますので、直近で必要になりそうなお金は手元に確保しつつ、ある程度の期間は使わずに済む範囲の金額を出資するのがよいでしょう。

 

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